
徴税権力―国税庁の研究
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徴税権力―国税庁の研究 のカスタマーレビュー 
夏休みの研究発表みたいです
(2007-08-16)
決して悪い本ではないが、テレビドラマの「ハゲタカ」がヒットした年にあえて出版するような内容が詰まっているとは思えません。もっともっと肉薄した内容を期待していたのですが、国家権力、特に大蔵や国税を批判すると最寄りの税務署からのチェックが厳しくなったという匿名の著名ライターの例などを列挙して逃げの姿勢が見え隠れしています。
マスコミに交際費チェックを入れて取材ソースを見つけ出そうとされた、という件は、一般の読者も覚えておいた方がいい。
これまでバラバラに発表されたものに大幅に加筆(書き下ろし)したとのことですが、単行本にするのであれば、もう少し工夫して欲しかった。著者がプライベートなこと抜きで、朝日新聞社でどういう担当や地位にいた、としか書かないあたり、極めて日本人的ですが、それ故に、国税庁が一般の読者とどう繋がっているのかが非常に分かりにくいし、何度も何度も『マルサの女』シリーズを引き合いに出すのはライターとして卑怯。自分やプライベートにおける友人の体験談などの希薄さが単行本なのに軽い読み物と化しているのが残念。
マイケル・ムーアの映画『シッコ』が公開されるが、ムーア監督くらいの行動力で立ち向かって欲しかった。
勿論、国税庁も強者の味方です!
(2007-06-30)
税金のでたらめな使い方に、殆どの国民は日常的に怒っている! それは本書あとがきにもあるように、会計検査院が「官と官の信頼がある」との寝言を吐くように、行政の裏金、政治屋の機密費・政務調査費、捜査機関の調査活動費などをオンブスパーソンらが追求しても尚、放置し続けているからであり、法人税・相続税・所得税の引き下げといった金持ち優遇税制と引き換えに、福祉や教育分野の補助を切り捨て、庶民に厚い税負担を強いているからである。
では、サラリーマンのように天引きでない払税者(“納”のようなお上意識の言葉は使いたくもない!)たちへの取り締まりはどうか?
ここでも検察のような捜査機関同様、“強者贔屓”の姿勢が窺える。 政治屋・大企業・創価学会への弱腰ぶりはどうだ?!
今まで私は小泉を“ダーティな鳩よりたちの悪いクリーンな鷹”と思っていたが、冨士工へ追徴課税の引き下げを働きかけ、その見返りとして(としか思えぬ)後援関係者であろう三人の冨士工への就職斡旋を果たし、富士講の使途不明金¥8500万も受け取ったのではないかと状況証拠から予想されるにいたり、その認識を最悪な“ダーティな鷹”に変更した。
「清濁併せ呑んでこそ一人前」=大蔵キャリアとするならば、オンブスパーソンに調査に関する全ての情報を公開し、監査してもらうしか彼らの不作為を建前通りにする策は無いのではないか?と絶望感を持ってしまう。
“大蔵をたたく者は、税務調査を仕掛けられる”との事実に基づく噂の対照に著者がならぬよう、より多くの媒体がこのでたらめさを追求すべきである。
国税庁に関する暴露本。ベールに包まれていた国税庁の実態が明るみに。
(2007-04-15)
自分自身は体験がないので本当かどうかは知らないが、成功した実業家は(男女問わず)、2つのコトに頭を悩ますのだそうだ。それは、「愛人」(女性もお金を持つと積極的になるらしい)、と「税金」だという。この本は、国税庁の活動の実態と、巨大な権力を、内部資料をもとに暴露していく。個人的には、特に政治家、マスコミ、宗教団体の章が面白く読めた。実名も意外に含まれているので、ちょっとした驚きもある。約260ページだが、あっという間に面白く読めると思う。長年、朝日新聞で国税庁を担当した著者なので、内容がとても充実しているが、本にはできないもっと凄いネタもまだまだあるのではないか。せっかくだから、そんなネタに切り込んでほしかったと感じる。
なかなか読ませる
(2007-02-17)
(1)この本の特徴は?
国税庁の活動そのものを書いているというよりは、むしろ、他の機関・関係者(政治家、検察、大企業、マスコミ、創価学会など)との関係を書いている面が強い。これまで余り意識しなかった国税の微妙な立場を垣間見ることができる。
(2)おもしろい?
国税庁を長年担当したベテラン記者が書いただけあって、金丸事件のような大事件や国税庁職員からのリーク情報などが書かれておりなかなか読ませる。残念なのは、エピソードがかなり古い点であるが、反面、変な「想い」や「カド」がとれたいわば熟成された味わいがある。文章は平易で読みやすく、難しい税法に関する記述もない。税に興味のない人でも十分に興味が持てると思う。
(3)国税の手口は書いてある?
ただ、脱税の解明方法や摘発の現場のようなナマナマしい記述は余りなく、記者クラブで幹部を相手に活動してきた成果を書いているという印象はある。なので、国税の調査手法を知りたいという人や映画「マルサの女」のような現場サイドの人間模様を読みたいという人には向かない。
「金丸信摘発の舞台裏」とその後の自民党の迷走
(2007-02-07)
第一章の「金丸信摘発の舞台裏」は大変面白く刺激的であった。特に国税庁の査察官が当時の日債銀本店に査察に入り、秘密裏に当行の営業部次長の机の中から「金丸」の二字の書かれたA4判の紙切れ一枚(割引債購入の情報)を発見したのが、金丸逮捕劇のキーになった件はまるで推理小説を読むようであった。いや、たった一枚の紙切れが事実上政界のドンであった金丸逮捕以降の自民党(経世会)の迷走となり、さらには現在の日本の政治状況を生み出したとすれば、推理小説描かれる以上の劇的な出来事でったとも言えるであろう。
第八章の「国税対創価学会」も私にとっては大変気になる内容であった。字数の関係で詳しくは書けないが、当時創価学会の池田会長の金庫番とされた中西氏のゴミ処理場に捨てた古金庫の中から一億7千万円近くの金が見つかった事件は、その真実をもっともっと白日の下に知らしむるべき事件であると思う。
どちらにしてもこの「徴税権力」は読みやすく興味尽きない内容の本であり多く人々に読まれることを望みたい。
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