
幕末史
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幕末史 のカスタマーレビュー 
平易に読める幕末史
(2010-01-25)
慶応丸の内キャンパスでの12回に亘る特別講座を一冊の本にまとめたものである。
いわば口述筆記みたいなもので、「・・・・ました。」調の文章だから親しみを持って読める。これが、歴史書かというほど、平易に面白くかかれている。
なんとなく、わかったようで分からなかった幕末という時代を、ペリーの来航から西郷隆盛の死まで分かりやすく説明してある。
私の幕末の理解度は従来はなはだ低く、なぜ薩摩、長州が明治の実権を持つに至ったか、勤皇佐幕、尊王攘夷、公武合体、官軍の武将だった西郷隆盛がなぜ賊軍になったか、など心もとないものだったが、この本を読んですっきりした。
おりしも、NHKの大河ドラマ「竜馬伝」がはじまっている。また「坂の上の雲」も断続的に放映されている。これらのドラマの時代背景を知るための大いなる一助となろう。
日本の近代史は、薩・長の勢力争いによって作られた!?
(2010-01-08)
慶応丸の内シティキャンパスの特別講座で、12回にわたり
著者が講演したものを本にまとめたもの。
従って、本文は話し言葉になっており読んでいると、ちょっと
違和感を感じるところもある。
ちょこちょこ『…さん』と、井伊直弼さん、のように、さん付けで
表記されているところだ。
同じ人でも付いたりつかなかったり、勝さん、のように姓に「さん」
付けならまだしも、気になるところだ。
内容の特徴は明治維新の歴史は、勝利した薩長側の歴史観によって
描かれていて、真実はそうではないのだ、というところにある。
慶喜が大政奉還をした時点で、朝廷と有力諸大名との政治体制が
作れたのではないか、という可能性とともに、戊辰戦争は薩長の
しかも下級武士たちの幕府に対する革命だったと説く。
反薩長史観というと、早乙女貢「会津士魂」を思い出すが、より
広い視野で描かれた本書はまた違った側面を読者に見せてくれる。
その後の薩長権力争いに終始する維新から昭和にかけての歴史を
見ると、なるほどと思えてくるし、そう言えば、ついこの間まで
総理大臣は、多くが薩摩か長州出身だった。
目から鱗の「幕末史」
(2009-07-06)
複雑に錯綜する幕末から明治維新にかけての様子が、手際よく整理されていて、今まで誤解していたり、関連が良く解らなかった部分などが、一気に理解が進んだ感じがします。
しかも、慶應丸の内シティキャンパスの特別講義を纏めたものと言うことで、非常に読みやすい著作になっています。
作者は「あとがき」で、「張り扇の講談調、落語の人情噺調」と表現されていますが、様々な例示も適切で解り安い語り口になっています。
確かに言われてみれば「そうだな」と思うのですが、倒幕の志士たちが戊辰戦争に勝利した後、その先のヴィジョンがどれほどあったかは、はなはだ疑問です。それ故に、試行錯誤の道筋になったと思うのですが、それにしても、「歴史」は上手く事態を収拾してくれています。そこには、「神の手」があるように見えてきます。
しかし、それは地球的な規模での「歴史」の要請によって、導かれた道だったのでしょう。
一番驚いたのは、岩倉使節団の欧米訪問と言う「誰も居なくなった」状況の中での西郷隆盛の活躍ぶりです。
人材登用、宮廷改革、学制発布、太陽暦の採用、国立銀行条例制定、徴兵制発布、地租改正条例布告と、それまでなかなか思い切れなかったことを全部やったという感じです。
まさに、「理想」の実現だったのかも知れません。
本当に楽しく面白い本でした。
歴史の見方、捉え方。
(2009-06-08)
必ずしも半藤氏の歴史観をすべて受け入れるものではありませんが、明治の錯綜する激動期を
わかりやすく、楽しく読ませていただきました。そもそも歴史はたくさんの史実、事象をどう
捉えるかで、罪悪史観にすることもできるし、光を照らすこともできるわけです。
ですので、多くの見方、捉え方があって当然ですし、自分と違うものの見方から学ぶことが
できるのでしょう。半藤氏の歴史講義は人物中心なのでわかりやすい。
結構厚手の本ですが、やはりそれでも細かいところまでは言及するには紙面が足りないようで
すね。明治維新前後の歴史はそれほどいりくんでいるということでしょう。
まるでその場にいたような・・・
(2009-04-11)
教科書で習う「明治維新」の背後には、一筋縄では括れない沢山の登場人物による多重な裏があるのだろう。本書の面白さは、そういった重層を解きほぐす手練が、まるでその場にいたように縦横無尽に登場人物と一緒になって幕府瓦解と新体制創設のドラマ展開を楽しんでいることにある。例えば、薩長同盟盟約に出てくる「皇国」について、《幕府が支配している日本に対する、朝廷が支配する日本、というくらいの意味であって、私たちが意識している天皇というほど、この時代の人たちは天皇を意識していなかったのではないか》とか、「ええじゃないか」狂騒曲に言及しつつ《この大騒ぎは、薩摩藩の人たちが倒幕に向けて暗躍するためのカムフラージュで、秘かに金も流れていたのではないか》と、かつての薩長中心史観に半畳をいれてみたり、決断の土壇場で二転三転する徳川慶喜に呆れ返ったり、大久保利通と西郷隆盛の最後の面談に示される二人の大人気なさに苦笑したり、そんな中で一貫して男らしい香気を放つ勝海舟に穏やかに共鳴したりして、臨場感に溢れている。
幕末について凡その知識はある筈だが個々の先人が何をなしたのかについて語る自信のない自分には、居眠りする暇もない寺小屋風講義であった。
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