ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下)    新潮文庫 - 本

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) 新潮文庫

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下)    新潮文庫

塩野 七生

新潮社

グループ:Book

ランキング:11244位

価格:¥ 460 (税込)

発売日:2002-05

在庫状況:在庫あり。


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ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) 新潮文庫 のカスタマーレビュー

「リキニウス法」や「ローマ連合」。ローマは「ゆっくりと着実にはいあがっていく」。  (2010-02-13)
下巻は、紀元前四六一年にキモンを追放した登場したペリクレス時代からはじまる。ローマではなくアテネの話だ。それまで無給であった公職に対して、日給を支払うようにしたという。

ローマにおいて執政官制度がうまくいかなくなると独裁官の擁立が決定される。非常事態宣言時に擁立される半年期限の独裁官は、現代人からみるとあまりに突飛な感じがするが、戦時中に果たす役割は大きく、非常に機能したようである。

「十二表法」という不評な成文法を主導したアッピウス・クラウディウスが、その法のために恋する娘を拉致するという専横を働き逮捕される史実も興味深い。
元老院の基盤を支えた「クリエンテス」の存在も面白い。

紀元前三九〇年のケルト族によるローマ占拠と、その後のローマ人による「ゆっくりと着実にはいあがっていく」さまは、その後の長年のローマ帝国の繁栄を知る一つの鍵と言える。例えば、「リキニウス法」の成立による利益代表制度の解消などは、その好例だろう。

本著は、史実、制度解説、歴史家の解釈紹介、持論の展開などが入れ替わり立ち替わり登場するが、下巻では、元老院制度に対する著者の思いが強く語られているのも印象に残る。
トインビーのいう「政治建築の傑作」である「ローマ連合」などは、図が挿入されていて、それで一発でわかる。

ローマ人が最も重んじた価値は、名誉だという。そのため、敗軍の将は罰せられない。敗戦ということで、恥に苦悩するという罰を充分に受けたからである。

紀元前二七五年に地中海世界で最も高名な武将ピュロスを退け、ローマは一気に注目される。そして紀元前二七二年にターラントが陥落しイタリア半島の統一を完成するところで、物語は一旦終結する。

ローマ人、その愚直なまでの勝気。  (2009-04-10)
ケルト族の襲来〜イタリア半島統一までの
共和政ローマを描いた巻。

おもろい。

蛮族、ケルト族にへこまされるローマ。
ローマ人涙目である。

ゆっくりと着実に立ち上がるローマ。

山岳民族、サムニウム族に
ケンカを売ったのにやり返されるローマ。

それでも、逆にサムニウム族の戦い方を学ぶローマ。

ギリシヤの天才軍人ピュロスと戦って
初めて象を見て負けるローマ。
(パオーン)
でも、しつこく戦ってじわりじわりと兵力を減らして
最終的には勝つローマ。

おもろい。

負けから学ぶ上に、しつこい。
というか。
成長期の大企業のような雰囲気。
何をするのにも時間はかかるけれど、
ゆっくりと着実に進歩する。
着実にPDCAを回すローマ。

あとおもろいのは。
ローマの侵攻の仕方。
侵攻した国に求めるのは兵力なのね。
宗教とか政治とか勝手にやっていいから。
市民権もあげてもいいから。
とりあえずローマのために戦えと。
国籍だって二重国籍だってかまわないし。
役に立ちゃ、ローマで上の役職に
就くこともできるよと。

金がもの云うんじゃなくて。
力がもの云うのね。
一番偉い執政官でさえ戦地に赴くし。
なんならたまに戦死するし。

『ローマ人が最も重視した徳は、
 名誉である。』

ローマ人、その愚直なまでの勝気。
おもろい。

疑問。
つか、ローマ人。
おもろいんだけど、
なんで侵攻すんの?

王制から共和制へ  (2008-01-16)
 ローマによるイタリア統一の過程が分かりやすく説明されている。ローマにとって最初の成分法となる十二表法成立の背後関係とか、ケルト人来襲によるローマ陥落とその後の復興などは、ローマ人の良い特徴が現れていると思う。

 ローマが王制から共和制に移ってから、政体について動揺を繰り返していたが、リキニウス法の制定で政治的な安定を見る。共和制ローマを支える政治体制や税制、市民権の概念、インフラ整備についての考え方、他の民族との関係(ローマ連合の特徴)を、同時代の他の都市国家との比較検討することで、ローマの特徴をうまく描きだしていると思う

積み重ねています。  (2007-07-30)
この巻の出来も立派だと思います。複雑な周辺事情をも正しい順序
で説明してくれているのでしょうかね。

お話はギリシアへの派遣視察団が帰国するところから続きます。前
449年十二表法の制定により、共和制ローマとして、ローマ人は歩
み始めます。塩野さんの説明がすごくわかりやすかったのは、この
共和制というのが、現在のフランスの共和制などとはまったく異質
の政体であるこというものでした。翻訳の問題なのだろうが、歴史
を志すものには重要なポイントなので、イメージだけでもしっかり
持ちたいところ。といいつつ私もすこし忘れている。しかし、彼ら
の文明はこの時期に法律が必要なほど高いものだったとも考えられ
るし、日本では成文法は聖徳太子の17条の憲法(604年)まで法律が
なくても、モラルのあった生活をしていたとも考えられる。


■ ともかく政体を変える事により、躍進するかと思った共和制ロ
ーマなのですが、文化レベルでは蛮族と言わざるを得ない、ケルト
人により、壊滅的な敗北をすることになります。これが前390年の出
来事です。このケルト人は去年流行したceltic womanや、有名なenya
もそうですし、もっとも好きなのはThe Chieftains等、他にリバー
ダンスなどの文化の源流たるケルト人ですが、このころは蛮族でしか
なかったんですね。しかし、この時期は森に棲む民族として、広く生
きていました。ドイツにも、スイスにも、フランスにも、スペインに
も。375年にゲルマン人の大移動が始まるまでは、深い森の中でケルト
人は暮らしていたのですね。

さまざまな様子が事細かにかかれていて、非常に読後感も素晴らしい
ものでした。

ギリシャから2000年以上経って  (2007-07-22)
 塩野が案内してくれるローマ史学の旅の二冊目。

 ローマを語るにおいて 塩野はギリシャが欠かせないという。そんな塩野が 本書では まずギリシャをじっくり描いてくれる。
 白眉はやはりぺリクレスであろう。塩野が紹介する彼の演説は 正直読んでいてため息しかでなかった。特に好きな箇所を抜き出す。

 「われわれは美を愛する。だが 節度をもって。われわれは知を尊ぶ。しかし 溺れることなしに。われわれは 富を追求する。だが これも 可能性を保持するためであって 愚かにも自慢するためではない。
 アテネでは 貧しいことは恥ではない。だが 貧しさから脱出しようと努めないことは 恥とされる。」

 かような発言が2000年以上前にあった点で 人間は大したものだと感心する。一方 それから2000年もの間 いったい人間は進化してきたのかと いささか絶望感も覚える。


 こんなギリシャを しかし ローマは 学んでも真似はしなかった。それが 滅んでいったギリシャと 版図を広げていったローマの違いである点も 塩野ははっきりと指摘している。

 本書で描かれるローマは ギリシャから学び、敗戦から学び、そうしてローマになっていった始まりを描いている。
 話は始まったばかりなのだ。

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