
東アジアの思想風景
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東アジアの思想風景 のカスタマーレビュー 
文の流麗なること、柳葉妓の舞の如し
(2008-09-05)
ドナルド・キーン曰く、「江戸時代の日本は儒教社会でしたね」司馬遼太郎答えて曰く、「然にあらず、目上の者の前で煙草を吸うなど、儒礼に反するものであり、日本は、儒学を取り入れたが、儒教は社会には根付かなかった」。とにかく、東亜細亜を一緒くたにして、このように解する半可通の外国人がいるが、そのような輩に本書を読ませたい。
しかし、儒と女については、明治初期の新聞を読むと、有名人の蓄妾についての記事などがあり、こちらについては、家の存続という儒礼に基づかない要請で、同様なことが行われていたことが分かり、なかなか面白い。
それにしても、永井荷風や泉鏡花の亡霊が現れたと思わせる擬古文体の使用など、なかなかの畸人と見た。読書人の楽しみとは、このような書籍を読むことに尽きる。
筆者の思うがままにつづったエッセイ
(2007-10-19)
「東アジアの風景は美しい」
そのことを言うために書かれた本。筆者はあとがきにて、「高邁な論理を開陳」する
気もなければ、「民衆を啓蒙」する気もないと述べている。
筆者が直観的な思惟で触れてきた東アジアについて、独自の感性に基づいてその思想
風景を描いている。それは近代的な価値観の否定でもあるが、各地域に根ざす「伝統
的」なものへも、歴史学の視点から疑問を投げかけている点に特徴がある。
そのためか、文章は擬古文調の文体で記されており、古文漢文の馴染みのない文辞が
散りばめられているため、近代的な文章に慣れ親しんだ私たちには読みづらいかもし
れない。
残念ながら私には、筆者の耽美的でノスタルジックな感性に共感することができなか
った。筆者が親しみを感じる思想風景は、私にとっても懐かしみを感じないわけでは
ない。しかし、現代文化を頑なに拒む筆者の姿に私は違和感を憶えた。回帰的な懐古
主義を理解できないのは、私がまだ年若く現代社会の申し子であるからかもしれない。
内容は学問的にもしっかりしており、目を覚まされるものもいくつかあったのが事実
であるが、全体的評価が低くなってしまったのは、私の個人的な嗜好の問題であろう。
世に流布する浅はかな儒教理解は木っ端微塵に粉砕される
(2002-09-12)
本書を読むことで、世に流布する浅はかな儒教理解は木っ端微塵に粉砕されるであろう。
日本が「儒教圏」などとは二度と口にできなくなる。
東アジアの住人である「中日韓」の真の相互理解のために、この1冊はぜひ読んでおきたい必読書だ。
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