
笑いの現場―ひょうきん族前夜からM‐1まで (角川SSC新書)
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笑いの現場―ひょうきん族前夜からM‐1まで (角川SSC新書) のカスタマーレビュー 
小宮のゆくえもわかる
(2010-01-24)
新書の本ブームがつづくなか、哲学とか科学とか「そんな薄い本
でなく専門書読めやっ」といいたくなる、読者の怠惰を助長させる
本が多い中、テレビの「お笑い」を直接的に論じた本がないのは、
こんな新書にマッチしたテーマはないのに不思議な話だ。そんな
需要を意識してなのかしてないのか、待望のお笑い論。著者は
あのラサール石井。どうでもいいが表紙にあるアルファベット表記
「Lasalle Ishii」だと、この人の印象が圧倒的にオサレになること
がわかる。
自身の幼少時代からトリオ結成、しだいにテレビで活躍していく
過程をめぐる自叙伝的な前半と、国民の大半は知っている大物
お笑い芸人らを次々に論じていく後半の二つに分かれる本書。
読む前、失礼ながら石井個人のそこまでのファンではない評者
は、「山場は後半にくるな」と踏んでいたが、まったく逆だった。
後半は、著者がまだ現場で共演する機会のある人ばかりのせい
か、毒がない。別に悪口を書いてくれとは言わないが、評者の中
に今まであったその芸人に対する印象を揺るがされるような記述
は少なく、いまいち刺激にかけるのだ。
それよりも前半だ。最初の方こそ劇場時代の話があるが、著者ら
がしだいにテレビ界の人々と交友を持ち始めてからがおもしろい。
「エンタの神様」でも流用される独特のお笑い編集方法を生み出し
た澤田隆治、のちに「ひょうきん族」を作るひょうきんディレクターズ
が手がけた“かっこいいお笑い”「THE MANZAI」、そのほか今の
お笑いを語るのになくてはならないパラダイムシフトは、間違いな
く昭和の「笑いの現場」で起きていたのだ。
歴代のM−1(2006年を除く)も審査している著者。「私ほどこの
番組の審査員に向いている人はいないと思う」という彼による各
回の詳述な論評もある。「昔のお笑い」が好きな人のみならず、
今のお笑いが好きな人こそ読んでおくべき一冊。
プレイヤーの証言として面白いです。
(2009-08-26)
ドリフターズ→MANZAIブーム→ひょうきん族→とんねるず→ダウンタウン、ウッチャンナンチャン→M1をリアルタイムでTVで観てきた私には、ラサール石井さんのこの本は
とても面白かったです。
単なる評論家ではなく、自らプレイヤーだったラサール石井さんが
プロの視点で語っている点が味わい深かったです。
オヤジ世代のお笑い好きにオススメします。
確かに“ひょうきん族”の影響ってスゴかったのかも
(2008-08-22)
知性派芸人ラサール石井による、80年代以降のお笑い史回顧&芸人評論。前半のノンフィクション編では、「コント赤信号」結成の経緯とサクセスストーリーを軸に「ひょうきん族」前夜からM-1までの歴史を回顧。後半は評論編として、たけし、さんま、志村、とんねるず、ダウンタウンの笑いに対する姿勢・特徴等を、同じ舞台に立つ現役芸人ならではの分析的目線で詳しく解説している。
中でも「ひょうきん族」の分析が興味深い。同番組では人気の漫才コンビを分断し持ちネタをやらせなかったが、こうした芸人の“バラ売り”によって、ネタで勝負する伝統的な漫才師は淘汰され、自分の言葉で喋れる芸人〜たけし、さんま、紳助らが勝ち残っていった。その一方で「ひょうきん族」の成功は、「楽しくなければテレビじゃない」のスローガンと共にフジテレビ全体を“ひょうきん族化”させ、やがてその波は他局へも伝染、芸能界におけるお笑い芸人の地位向上に一役買った。なるほどこの様に分析されると、「ひょうきん族」を挟んでお笑いの質が大きく変貌した事実がよく理解できる。
同じ「場」を共有した者の同時代の証言
(2008-05-20)
芸人に対する評価や、お笑いの解釈に関しては、
格別目新しいことは書かれていないのですが、
一流芸人たちと同じ「場」を共有してきた
人間の同時代評として価値がある本書。
M-1においては、第一回大会以降、紳助が提案した
「最低点=50点」が暗黙の了解となっている、といった
当事者しか知りえない情報も本書の読みどころです。
▼付記
2003年のM-1について述べられている所で、フットボールアワーに関し、
〈後藤のボケが冴え渡り〉(135頁)という記述がありますが、後藤ではなく
岩尾の間違いでは?
※初版版において
お笑い界の流れが分かる。
(2008-03-12)
芸人の目線からみたお笑い界を書き綴っている。
もうちょっと薄いのかと思っていたけど、一言一言選ばれた言葉を使われているのが伝わってくる内容。
よく分析してるなー、と感心することもしばしば。
個人的な話になるけども、僕にとっては中高生の頃はダウンタウンの笑いが絶対だった。
ダウンタウンを基準に他の笑いを見ていたと言っても過言ではない。
今は大学生、この考え方は薄れながらもまだ残っている。だが、この本を読んで思ったのは、笑いってのは一つじゃないってこと。
色んな笑いがある。笑いは笑いだけれども、笑いにはそれぞれの方向性がある。
以前、松本仁志が志村けんのことをおっとこまえと評していて腑に落ちなかったのを思い出す。だが、そんな事も今は少し理解できた様な気がした。
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