
福知山線5418M 一両目の真実
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福知山線5418M 一両目の真実 のカスタマーレビュー 
余りに強烈な追体験
(2008-02-01)
福知山線脱線事故時、仕事に向かうため一両目に乗り合わせていた著者。鉄道ファンでもある著者が、車内であまりのスピードに明確に脱線を予感し、数メートル先にいるはずの運転士を見ようとしたそのとき、車体がふわりと進行方向に向かって左側に傾いた…。事故の瞬間や救助作業のリアルな描写は、そのときその場に居あわせた者だけが語れる「真実」だ。そして、阪神・淡路大震災の教訓から生まれた瓦礫下での医療や各自治体の連携救助作業が、彼を救った。
技術畑の人間でもある著者が強烈に感じたJRの脆弱さ、今後の安全性への疑問、そして、マスメディアの人間であると同時に被害者であることの矛盾などもつづられている。そして、運転士はなぜああいう行動をしたのか?という当然すぎる疑問も…。事故前、回送運転時のあまりに不可思議な運転内容を改めて思うと、深い闇を見るようでゾッとさせられる。
著者が味わわざるを得なかった一つのあまりにも長く強烈な経験を、まるで2時間半の間に一気に追体験した感じもあり…読後、長い間眠れなかった。
まさに迫真の告発
(2006-12-11)
例の福知山線事故の際、ペチャンコになった一両目に乗っていたにも関らず奇跡の生還を遂げた著者が、事故の様子、救援活動、JR西日本の対応、事故の分析等を纏めたもの。驚くべき偶然で著者が"鉄道マニア"だったため、マニアならではの分析も随所に見られる。
事故の直前、著書は異変を感じていたそうである。「このスピードではあのカーブを曲がり切れない」と。この直接的原因は、直前の駅でオーバーランを起こした運転手の心理的重圧だが、著者にも気付いたオーバースピードに対して注意を与えなかった車掌にも責任があると指摘する。この車掌をケガが酷い(真実の可能性もあるが)と言って病院に匿うJR西日本に対して不信感を覚えると言う。また、著者が実際に治療を受けたのは滋賀の医者(事故を聞いて掛け付けた)だが、こうした体制が出来たのも、阪神淡路大震災の教訓が生きていると言う。
そして事故の分析だが、ここで著者はマニアならではの卓見を披露する。福知山線は狭軌なのだ。狭軌とは文字通り、標準よりレール間の幅が狭い事である。東北新幹線で山形・秋田新幹線の部分だけ、レール間の幅が狭い事を思い浮かべて頂けると分かりやすいと思う。著者は、福知山線がもし標準軌だったなら(安定性が増すので)、同じスピードでも事故は起こらなかったか、起こっても小規模で済んだと推定する。更に、旧国鉄が狭軌から標準軌への改造を後回しにしたのは、その当時の政治家が路線を国中に巡らせる事を優先させたからだと糾弾する。国家100年の大計を誤った訳だ。
衝撃的事故から奇跡的に生還した著者が、過去の事故の教訓を生かす大切さを述べると共に、事故の実態と原因について、個人、企業、そして政治家まで鋭く分析した迫真の書。
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