
新装版 戦雲の夢 (講談社文庫)
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新装版 戦雲の夢 (講談社文庫) のカスタマーレビュー 
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(2008-05-07)
関ヶ原では同じ西軍でありながら、近くにいる動きのあやしい吉川・毛利勢の動向を警戒するだけに終始し活躍の場も無いままに敗軍の将となって
長年幽居を強いられた盛親が、家臣、坊主、女らと接していくうちに大名としての決意を固め、
戦国最後の合戦の大坂の陣で最初で最後の一花を咲かせるという、人として一皮剥けて死地へ向かって活躍するその爽快さが良い。
「城塞」では大坂の陣における盛親の様子はあまり触れられていないので是非こちらをお読み下さい。
主従の友情の物語
(2008-03-19)
盛親と弥次兵衛の主従の友情の物語と読みました。出だしの弥次兵衛が盛親の京都遊びを諌めるシーン、二人の別れのシーン、そして戦場で再会する最期のシーン。主従の友情溢れる物語だと思います。
もし盛親が東軍に付くことができていたなら、山内一豊が土佐守になることもなく、長曾我部のまま幕末を迎えたかもしれないし、そうなれば土佐郷士の活躍もなかったのかも、と思うとまたそれも面白し。
武士の生き様
(2007-12-29)
政治の流れに乗れずに没落していく
長宗我部家。
武士として定めの中で
死に場所を求めているかのような
盛親。
「夏草の賦」で描かれた元親の憂鬱。
彼らの想いは、幕末まで土佐で
醸成され続けたのかもしれない。
戦国ものというよりヒューマンドラマ
(2007-08-18)
この作品で司馬が描くのは長曾我部盛親。
関が原に敗れ、大阪の陣で敗れた、無能な2代目…というイメージのこの大名に見事に光をあてた佳作です。盛親が人生を転落していくさま、そしてどん底の生活から最後の大勝負にうってでるまでを、その性格や人間関係が濃密に描かれています。
イメージと異なり、盛親は武芸に秀で、戦上手でもありました。しかし、野望が薄く世の流れに身を任せてしまう性格であったことが、その運命を決めてしまった感があります。
戦国ものにも関わらず合戦シーンはごく限られていますが、キャラの異なる5人の女性との関係、旧友との友情と別れ、浪人時代に官吏とその情婦によって虐げられる様子、大阪の陣で城に籠もる浪人たちの爽やかな武将ぶり、などなど、人間くさーい描写が豊富で、楽しめる1冊です。
長曾我部盛親の心の中
(2007-06-08)
英雄的な父親が築いた自家を滅亡させたドラ息子、という程度の認識でした。しかし、長曾我部家内の政治的混乱、急速に展開する世の中、常に後手後手にまわってしまう政策、関ヶ原では東軍に参加したいのに西軍に入らざるを得なくなってしまう不運等々、とにかく盛親が気の毒になってしまう前半。関ヶ原後は22万石すべてを没収され、あっという間に京都で浪人に。前々から元大名が浪人になってどう生活したのか興味があったので、つねに監視の目のある盛親の塾教師としての生活は興味深く読んだ。この本の面白いのは、盛親の心の中が手にとるように分かること。15年を超える浪人時代、そして大坂の陣で盛親が何を考えたかが、司馬遼太郎の暖かい視線で描かれている。緊密な主従関係にありながら、大阪では闘うことになる盛親と弥次兵衛の最期は圧巻。
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